中堅・小規模物流業界のDX

配車はAIで効率化できるのか

配車指南書というコーナーをつくりながら考えたことがあります。

ITとかDXとか言われている世の中で配車係という仕事は本当に必要なのか?

配車係という仕事には「人の感情が読めないとできない」とか「相手に伝える力が必要だ」とかいう内容を配車指南書では書いてきました。

しかし、この問いに自信をもって「はい」とは答えられません。

特に今のこのコロナ禍の世の中を見ているとその様な考えに囚われます。

実際にこのコロナ禍で、私たちの主事業である運送取扱業は大きく売上を落としました。

貸切貨物業界の市場に出てくる輸送案件が激減したからです。

しかし、激減の理由はともかくとして、この輸送案件激減の世の中でも人の世はきちんと回っているという事実があります。

激減しているということはそれだけ運び手が余っているわけで、この運び手が余るくらいの流通状態でも人は困ることなく生活ができている。

こんな世界になって改めて自分の運送取扱業という仕事を見つめなおしたとき、「本当に要るのだろうか?」と思わざるを得ないのです。

貸切貨物業界

このコロナ禍で、貸切貨物業界にいかに不必要な流通があったのか、ということを思い知らされました。

ハブ&スポークの流通しかり、3PLしかり、効率化できていると言われてきましたがそれは大企業の大量生産、大量出荷のこと。

「本当に必要なものだけを本当に必要なときに」が世の常となったこのコロナ禍において、「大量生産と大量出荷だけ効率化できていれば良し、その他中小企業の流通は余った物流力で何とかしろ」は通用しません。

これらの事実を見て、我々は業界全体を俯瞰しながら「本当の物流効率化とは何か」ということを考えなければなりません。

いずれはこのコロナ禍も落ち着き、人の移動が再び盛んになります。

ですが、せっかく突き付けてもらったこの課題。

これをクリアすることがSDGsにもカーボンニュートラルにもつながるのではないでしょうか?

現政権の菅総理が言及されたDX化のこともカーボンニュートラルのことも考えれば、これは次の時代の変化に対応していかなければならないということなのでしょう。

そういわば、これはコロナ禍というピンチの中に見出す機会。

大量生産や大量出荷が悪だとして斬ってしまうのではなく、再び来る華やかな世界をより環境にやさしく輝かせるために、今考えられることはやっておくべきなのだと思っています。

変化に先んじて

2030年に石油燃料で動く新車は販売できなくなります。

これは後発している日本だけの話ではなく、EU各国や経済大国となった中国でも止められない流れになっている話です。

カーボンニュートラルの実現のためには「緑化してCO2をO2にすること」と「排出するCO2を減らすこと」を同時進行し、この天秤が釣り合うまで続けなければなりません。

当然この流れの中、我々の業界にともなう責任はかなり大きいと考えています。

現在ディーゼルで動いているトラックの代替燃料の問題もすでに議論はされていますが、当のトラック業界にいる企業には目の前の問題としては捉えにくいものであるのは間違いありません。

なぜならば、安く叩かれ上げた運賃で走り、目の前の収益を上げていくことで精いっぱいだからです。

こんな状態では、国内流通に関わるトラックを次世代のものに変えていくことなんて到底不可能でしょう。

しかし、強引にでもやる、という御触れがでたとき、これに耐えられる企業体力がない会社は淘汰されるしかありません。

私たち業界に関わる人間はそんなことがないように努力しなければなりません。

次世代燃料への移行期間は必ずあると思います。

でも急展開がない、と高を括ることはできません。

首都圏や大阪府がNOx非対応車を締め出したときのことを思い出してみてください。

「そんなことを言っていたら小規模業者は潰れてしまう」と息巻いていた人もいたのに、すっかり対応済みの車両で溢れる世の中になりました。

その当時の技術進歩を現在の技術進歩と比べると、圧倒的に現在の方が上です。

2030年までの10年、2050年までの30年、大きな変化を生むのに十分すぎる時間だと思います。

この時間をまだ大丈夫と思って現状の仕事を続けて過ごすのか、これから起こる変化に先んじて動くのか、が重要になります。

私はもちろん、これから起こる変化に先んじて動くべき、だと思っています。

技術は人の能力を超えて

最近になってよく、変化を受け入れる思考というのは本当に大切だと感じるようになりました。

変化を受け入れ、変化に対応し、自分たちも変化してかなければなりません。

そこに前項で述べたような、これから起こる変化に先んじて動くという思考が加わりました。

その中で、今回のテーマである「配車はAIで効率化できるのか?」という考えも生まれました。

私たちの仕事は大量生産、大量出荷、大量輸送という大企業にしかできない仕事の影にある、中堅・小規模輸送のモザイク状になって混線している物流網を整える仕事です。

言わば、これも効率化なのだと胸をはってこの仕事をしています。

しかし、どんな業界でも起こっている現象として、インターネットやクラウドサービス、データサイエンスなどITの力で効率化されることで整流を生業としていた問屋が締め出されているというものがあります。

この例はヒントです。

ITの力で効率化された業界に人が必要ではなくなっていることから、整流は必ず人がやらなければならない仕事ではない、という事実が見えます。

だからこそ、きっと我々の業界である中堅・小規模物流業でもIT技術の力による効率化が可能なはずです。

このコロナ禍は私にたくさんの考えるべき課題をくれました。

「中堅・小規模物流の案件の減少」のように見えるが、実際には中堅・小規模物流の量は減ってなどいなく、大量物流のおこぼれだけがなくなって(無駄が無くなった)「物流の効率化」ができているという事実。

この状況下で需要減・供給過多になった業界内に溢れる「安く買い叩かれるトラック輸送の運賃」。

「買い叩かれる運賃」では実現が難しくなる次世代燃料への移行。

この課題を解決するために中小規模の運送会社で構成する業界が取り組むべきアクションは大きく3つだと考えています。

「中堅・小規模物流網のDXによる効率化」

「実際にトラックを走らせる業者へ適正運賃が渡ること」

「適正運賃による増収を次世代燃料への移行へ再投資すること」

技術は人の能力を超えて進化していきます。

私自身にこの技術を創ることはできません。

当然、歩んできた道が違うからです。

しかし、私にはこの中堅・小規模物流に関わってきて、何をどうすることで流れを整えていくのかということが分かっています。

もし、この経験と分析する力を買って下さる技術に強い方がいらっしゃるのであれば、いずれ大きく変化せざるをえない未来の物流業界に先んじて、業界を変えていく力をお貸し願いたいと思います。

変化していく未来に先んじて、変化すべく行動を起こすこと。

新しい未来へ向けて動き出した2021年、中堅・小規模物流のDXを支える行動を起こすことをイナバ商運株式会社の代表は胸に誓います。

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