配車指南書6

配車指南書6「網羅と論点」

この配車指南書シリーズは世で働く取扱業の配車マンたちへ送るメッセージです。

新人配車マン、自信を無くしている配車マン、など行き詰った配車係の悩みが少しでも解決できればと思い綴ります。

20年の配車人生の中で経験した失敗と、そこから学んだことを伝えることで、少しでも前向きになって働けるようになってくれたら幸いです。

 

知識や資格は本当に必要か

前回の配車指南書5において網羅主義という言葉を使いましたが、今回はこの発言の元となった網羅思考についてお話します。網羅思考とは、「網羅しなければならない」という思考です。

例えば、ふと「美味しいチョコレートが食べたーい」と思ったとします。大体の人は、売ってあるチョコレートの中から美味しそうなものを選んで食べるでしょう。これが網羅思考だと、「チョコレートの原材料、製造場所、保存の仕方、業者、ブランド名…すべて把握しないと美味しいか分からない」となります。悪い言い方をすると「バカみたい」ですが、こんな考え方が日本には溢れかえっています。

知識はある方が良いです。なぜなら、必要な結果にショートカットすることができるからです。しかし、知識を網羅する必要はないというのが私の見解です。それが分からないから、必要かどうかも分からない知識の習得のために資格を取得しようとする文化が変わらない。これが網羅思考の罠なのだと私は思っています。

国家資格が必要な業種をビジネスにしようと思う場合、確かにその資格は必要です。知識を網羅しなければならない試験を準備し、参入障壁として立ちはだかります。致し方ないとしか言いようがありませんが、こういうことを見ていて、世の中にあふれている資格制度のほとんどは参入障壁として利用されているのではないかと思いませんか?

お医者さんや弁護士など誰彼かまわず開業できては困る資格はともかく、よくよく考えるとそんな資格いるか?みたいな資格もたくさんありますね。そういう資格は、簡単に参入してほしくない業界の先行者たちが作り上げた参入障壁だと思って良いでしょう。

あるとき参入障壁の正体に気いた人が、簡単にその壁を乗り越えて業界に参入します。そして、先行者を模倣し新たな参入障壁を作り始めます。そうやって「それ本当にいるか?」という資格で溢れかえる社会が出来上がったのです。

このような資格試験の内容もそうですが、子どもたちが強いられる義務教育においても「網羅する必要がない学習」が非常に多いように感じます。こうして考えると、資格なんてものが希少性をもつのはどうかと思うのです。

 

ビジネスには論点を見つける目が必要

論点とは話の中核です。ビジネスでは解決すべき真の問題(中核)を探してそこを解決する能力が問われます。トラックの配車においても中核から出発すべきです。

「配車係の仕事って何?」と聞かれると、「トラックを手配する仕事」と答えがちですが、これも網羅思考によって導き出されている答えのように感じます。

商売という基本に立ち返って考えると、運送業は「運んで欲しいお客さんに、運ぶというサービスを提供すること」が仕事。運送業の営業マンともいえる配車係の仕事も、シンプルに「運んで欲しいお客さん(荷主)にサービス(運ぶ)を提供すること」だ。だから「手配」が配車という仕事の出発点にはなり得ない。あくまでも「運ぶ」ことが求めらる。だが、「運ぶ」のは自分ではなく、自社のトラックか傭車さん。自社トラックの台数を把握し、どれだけの仕事を請けているから足りない場合は傭車さんに手伝ってもらい…

出発点からあれこれと思考し、だんだん「手配」という言葉に近づいてきました。そして頭の中が網羅思考で溢れかえってきたら、【網羅思考で武装されたベテラン配車マン風の人間】の出来上がりです。

でも、よくよく考えてください。

サービスを提供するはずのお客さんの要望(ウオンツ)は何ですか?

「運ぶ」です。

「手配」ではありません。

あくまで「手配」は運送業者の内部での話であって、顧客には何の関係もない話なのです。

この「運ぶ」という出発点に注目して考えるのが論点思考なのです。

この思考にたどり着いたとき配車係のあなたは気が付くことでしょう。

網羅しなければならないと思っていた業界の知識がさほど必要ではないことに。

そしてお客さんが求めている要望(ウオンツ)を論点に考えてみてください。

配車係というあなたがどういうサービスを提供すれば良いのか。

答えは十人十色。

ここで私の答えは書きませんが、論点思考から抽出された皆さんの答えが明日から配車業務の質を上げてくれます。

 

 

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